【ジャズ】Bill Frisell 配信ライブ

先週末に続いて、ニューヨークのジャズクラブ「Village Vanguard」のライブ配信アーカイブ版で楽しんだ。これはコロナウイルスの影響で営業できないヴィレッジ・ヴァンガードが10ドルで生配信と時差配信をするもので、今回はギタリストのビル・フリゼールのトリオだった。

僕はピアノならラテンが、ギターならスラックキーによるアイランド系かフュージョンが好きなのだが、今日の主役ビルはそのどちらでもない。テクニックをひけらかすようなソロもなければ、作り込んだ音色もしない。その意味では僕が好きな部類のギタリストなのだが、彼の奏でるメロディは耳障りがよすぎるのだ。先週聴いたフレッド・ハーシュのピアノは「音のぶつかりが心地よい」演奏で、流れるようなメロディラインよりも意図的な違和感で印象づけるような楽曲やソロが好きな僕にとっては、ツボにはまるライブだった。一方、今日のビルは耳に残らない。それは、僕にとってはT-SQUARE安藤まさひろのソロに近いものを感じた。もちろん、楽曲の印象はまったく異なるので、あくまでソロのスタイルということだ。

そんな質問を実際に受けたことはないが、「好きな和音は?」と聞かれれば僕は「Cmaj7」と答える。ベースの音は別にCである必要はなく、メージャーセブンスの持つちょっとまとまりのない、余韻が拡散していくような響きが好きだ。基本を少しはずすくらいのこだわりが、僕のライフスタイルなのかもしれない。