【ドラマ】ザ・ホワイトハウス シーズン5

アーロン・ソーキンはクレジットされているものの、脚本からは手を引いている。その影響なのか、複数のプロットを素早く切り替えてテンポよく展開するスタイルから、個々のプロットをじっくり見せる形に移行したように感じた。また、大統領スタッフたちそれぞれの立場を明確にするために、これまで以上に対立させる構造に。その中心に立つのが補佐官のレオだ。実態としてもそうならざるを得ないのだろうが、リアリティを追求したことでドラマとしての面白さが薄れ、人物への感情移入も難しくなってしまった。

終盤の2話では、ガザにおけるイスラエルパレスチナの抗争が描かれる。イスラエル人はシオニズムの下、神との約束によりこの地に住まなければならないと語り、パレスチナ人は自爆テロで対抗する。どちらの言い分にもそれなりの理はあるものの、起きている具体的な事象を考えると、どちらにも肩入れし難い部分が残る。このブログでも何度も触れているように、それらの問題の根源が英国の二枚舌外交に根差していることは間違いないだろう。

いまさらではあるが、このドラマのテーマ曲のメロディは「冬のリヴィエラ」を思い出させてくれる。この曲は森進一が歌ったものだが、作曲はあの大瀧詠一だ。松本隆が書いた歌詞の中には「アメリカの貨物船が桟橋で待ってるよ」という一節があるので、このドラマにも何となく通じるところがあるように思えてしまう。