【BNLイタリア国際】ジョコビッチ―ルード

ローマで開催されているBNLイタリア国際の準決勝、ジョコビッチとルードの一戦。ファーストセットでは序盤でルードがブレークし、そのまま進むかに思われた。ジョコビッチはいつになくミスが目立ち、ルードは要所でダウン・ザ・ラインが冴えて勢いが感じられた。しかし、セット終盤になってくると、劣勢のジョコビッチが相手を威嚇するかのような大声を上げたり、「結果的に」相手のサーブのタイミングを狂わせるような「待った」をかけたり、そして判定に執拗に抗議したりと王様らしい振舞いが目につくようになる。

確かに判定は微妙で、クレーコートだからチャレンジシステムはないのだが、リプレー映像ではジョコビッチの抗議が正しかったことになっていた。それにしても、彼のこのような振舞いは常套手段なのだ。この日は露骨にはやらなかったが、どこかを痛めてトレーナーを呼んだりメディカルタイムアウトをとったりして、終わると何事もなかったかのいうなプレーに戻る。そんなことが日常だからこそ、USオープンでラインパーソンにボールを当てても、彼を擁護する声があまり聞こえてこないのだ。

一連のプレーで惑わされたのかどうかは不明だが、若いくて経験の浅いルードは明らかにリズムを乱し、このセットを逆転されて落とす。セカンドセットもそのまま押し切られて、ファイナル進出を逃してしまった。ナダルが早々に敗退し、やはり調整の難しさを見せつけた今季のツアー。そのナダルを破ったシュワルツマンが、ファイナルでジョコビッチに挑む。僕がどちらを応援するかは、明らかだ。