【ジャズ】The Bad Plus

最近よく視聴しているニューヨークのジャズクラブ「Village Vanguard」の配信ライブだが、今週末はThe Bad Plusが登場した。2013年の元日にニューヨークのこのジャズクラブでライブを見たバンドなので、特別な思いがあった。このバンドはp, b, dsの3ピースだが、2013年とはピアニストが違っていた。前任のイーサン・アイバーソンは天才肌だったが、2018年から加入しているオリンも似た系統のピアニストで、茶目っ気のあるひらめきが、奏でる音楽に華を添える。

そして、相変わらず演奏はクールでエキサイティング。ジャズらしいノリを重視するので、ちょっとくらいタッチをミスっても気にしないし、そもそもチューニングも怪しい。ちょっとテンションの違う和音が広がると、それはそれで彼ら独特の世界を作り上げてしまうのだ。演奏の合間にも、MCというよりは気ままは雑談を仲間内でしている感じだが、それで嫌味を感じさせないのは音楽に対する真摯さによるものなのだと思える。

ドラムスのデイヴィッド・キングはシンプルなセットで、テクニックに走りすぎない。ベースのリード・アンダーソンはとにかくメロディアスなリフを聴かせてくれるので、リード楽器よりも低音のメロディをつい追ってしまう僕にとってはツボにハマってしまうのだ。ピアノのオリン・エヴァンスは展開が読めないプレイで、「え、ここでメロディが切れるの?」という感じで和音を響かせるようなこともある。いずれにしても、まさにこれがジャズのインプロビゼーションなのだ。2013年のブログにも書いたが、ぜひ一度TOKYO JAZZで見てみたいものだ。