【テニス】ATPツアーは再開できるのか

8月のワシントンDCからツアーを再開し、シンシナティはニューヨークに会場変更してUSオープンも無観客、9月に移行したローランギャロスの余波を受けて楽天オープンが中止。そんな計画をATPが発表した矢先に、ジョコビッチが発案して弟がトーナメントディレクターを務めたアドリアツアーで複数のコロナウイルス陽性者を出してしまった。

ディミトロフの陽性発表に続いてチョリッチ、トロイツキ、そしてジョコビッチのトレーナーとディミトロフのコーチまで陽性が判明。トロイツキの身重の妻まで陽性とのことだ。ツアーはザダールでの決勝が直前にキャンセルされ、ジョコビッチは「症状がないから」と検査を受けずにクロアチアからセルビアに戻ったと報道されている。観客とバスケをしたり、ハグしたりという内容に加え、観客の大多数がマスクもせずに密接して観戦していたと伝えられている。ジョコビッチはそういった指摘に「セルビア政府の方針に従っており、健康管理は自分が決めることではない」という趣旨の発言をしているようだ。

ツアーに参加した選手はすでに次のエキシビションに向けて移動しており、ディミトロフもモナコで静養している。ジョコビッチへの非難が集中しているのは当然だが、この影響で選手や関係者の間に不安が広がっているのもやむを得ないところ。せっかくここまでの段取りをつけたATPの苦労を水の泡にしかねないジョコビッチの行動に対して、だれがどのように責任を取るのだろうか。そして、ツアーは本当に再開できるのだろうか。

(追記)

ジョコビッチ本人と妻も陽性であったことが発表されている。