【TOKYO JAZZ +plus】オンライン生配信Day-1

COVID-19の影響で中止となったTOKYO JAZZ +plusに代わり、オンラインでの配信が5/23~24の2日間行われることになった。最近この手のオンラインフェスは多く、内容は玉石混交なので、正直あまり期待せずに土曜日の開始時刻20時を待っていた。

まず登場したのは小曽根真。15人編成のビッグバンドをそれぞれの自宅からオンラインでつなぐ構成だったが、音の同期はもちろんのこと、ライブ感も十分に引き出されていて楽しめる演奏を聴かせてくれた。小曽根に限らず、演奏を拾うマイクや部屋の吸音はさすがに専用施設には及ばないものの、オンラインでここまで楽しめるのかとあらためて思い知らされる質の高さだった。

87歳の渡辺貞夫が円熟味あふれる「花は咲く」を、78歳もチック・コリアは「Mirror, Mirror」を生で聴かせてくれ、過去のアーカイブ映像からはデイヴィッド・サンボーンマンハッタン・トランスファーラリー・カールトンリー・リトナーら大御所の演奏も楽しめた。バックを務めているのがマーカス・ミラーだったりするろ、僕としてはもうたまらない気分だ。

一番印象に残ったのは上原ひろみ。日本の企画に日本のミュージシャンとして力いっぱい応えた「Kaleidoscope」の演奏は、パワフルでテクニカル。楽しそうな表情も含め、圧巻としか言いようのない素晴らしいパフォーマンスだった。締めの挟間美帆も、彼女らしいアレンジとプロデュースによる「処女航海」でオンラインの魅力を引き出し、新たな音楽の可能性を知らしめてくれたように思う。

MCのハリー杉山とセレイナ・アンも、ジャズや出演者に対するリスペクトが感じられて心地よかったが、話を切るタイミングが下手なので、ちょっとダラダラ間延びしてしまったのは残念だ。当初2時間の予定が、ハービー・ハンコックの生誕80周年を祝う関係で2時間40分に延長することがアナウンスされていたものの、結果的には3時間を超える充実の配信となった。