【TOKYO JAZZ +plus】オンライン生配信Day-2

大御所揃いの初日に比べて小粒な印象だったので、Day-2の期待値はさらに下げていた。ところが、始まってみると予想は良い意味で裏切られる。いきなり平原綾香が、父でありサックス・プレイヤーの平原まことや則武裕之を従えて「A Night In Tunisia」を演奏すると、空気が変わった。

日野皓正のトランペットはちょっとイマイチ感が漂ったが、fox capture planやTRI4TH、OVALLといった若手が素晴らしいパフォーマンスを繰り広げ、日本のジャズの奥深さを世界に知らしめた。この日は最後までは鑑賞できなかったのだが、僕が見た中でラストとなった矢野顕子上妻宏光の「こきりこ節」も素晴らしかった。ピアノと三味線という取り合わせながら、明らかにジャズだった。それは矢野の独特な歌唱による効果もあったのかもしれないが、上妻の三味線はジャズでもブルースでも対応できそうだ。

この2日にわたるプログラムで個人的に残念だったのは、僕の好きなラテンジャズ系のラインナップがほとんどなかったこと。ただ、これは東京ジャズのキャスティングがそういう傾向なので致し方のないところかもしれない。平原父子の競演があるなら、土岐英史土岐麻子のデュオがあってもよかったと思うのは、勝手な妄想だろうか。