【Netflix】サバイバー:宿命の大統領 シーズン3

米国大統領の一般教書演説の際に「指定生存者(Designated Survivor)」に指定された住宅都市開発庁長官が、議事堂へのテロ攻撃で閣僚が全滅したことで大統領を継承するストーリーのドラマで、シーズン2まではそんなトム・カークマンと家族の苦悩を描いていた。ABCでは打ち切られたものの、Netflixで継続することになり、キャストの入れ替えも含めて大幅な路線変更が実行された。

一般市民などへの実写インタビューを挿入し、LGBTQや人種問題などの時事問題を絡めながら大統領再選を目指して共和党でも民主党でもない「第三極」として出馬したカークマンの選挙運動が描かれる。選挙参謀の戦略はえげつなく、まじめなキャラクターだったはずのカークマンまでもが徐々に政治家らしさに染まってゆく展開がリアルであり、恐ろしくもある。

日頃仕事をしていても感じることだが、企業の経営をする上ですべての事項に正論で当たることは不可能だ。国家運営においても、それは同じことなのだと思う。優先順位をつけて何かを捨てなければ予算に収まらないし、結局不満を抱く人の数を減らすことはできない。それがためにトップは、大なり小なり常に「嘘をつく」ことと背中合わせになっている。ある人にとっての真実は、別の人にはそうは見えないのだ。トップが見せ方、見え方を気にするのは当たり前だが、それを二枚舌だと捉える人もいる。それがトップの辛いところなのだ。