【米大統領選】バイデン当確

僕の考え方は共和党に近いし、国際緊張や世界経済のことを考えると民主党は支持できないのだが、ドナルド・トランプの顔をあと4年見続けることになるのも気分がよいものではない。一方で、露骨に政権批判を24時間繰り返すCNNも好きではなく、特にクリス・クオモの過剰な姿勢には嫌気が差していた。そんなわけで、今回の米国大統領選挙は一歩引いて傍観していたようなスタンスだった。

テキサスとフロリダをトランプが取って、僕もこれで決まったと思った。しかし、ジョージアペンシルベニアがこんな展開を見せるとは、民主党陣営も本当に信じていたのか疑いたくなるような劇的な逆転だった。開票が進むたびに票差が詰まり、寝て起きたら赤が青に変わっていたのだから。

ジョー・バイデンの地元、デラウェア州エイルミントンはかつて特急アセラに乗ってワシントンDCからニューヨークに移動する途中で通りかかった街。何もない田舎だという印象しかなかったが、そこでカマラ・ハリス次期副大統領を従えてバイデンが勝利宣言を行った。近親者への感謝が長く、オスカー受賞者の悪い例のようにも見えたが、トランプを敢えて無視するような形で前を向いたスピーチにしたことには意味があるだろう。バイデンはネクタイのディンプルが完璧だったのに、襟足が跳ねていたのが気になってしまった。

トランプもそう簡単に諦めそうもないが、一部の狂信的なグループを除けば共和党陣営もトランプにしがみつかないのではないか。それよりも、外交と経済が日本にどう影響するのかを読むほうが重要な課題となるだろう。