【ATPカップ】スペイン―ベルギー

ATPカップの準決勝は真夏のシドニーで開催されているが、アスリートにとってのコンディションはかなり悪そうだ。普段から人一倍汗かきのラファエル・ナダルはラケットが滑ってしまうようで苦労していたし、そのナダルを下したダビド・ゴファンは顔色が悪く、表面は赤く上気していたものの青白さも見てとれた。そんな中でもダブルス勝負で、またしてもナダルとカレノブスタは王者のプライドを示してくれた。

ファーストセットを失って、セカンドセットもブレークダウンの展開。しかし、ここぞという場面を逃さずにひっくり返す。それ以外の場面ではミスが目立ったカレノブスタも、いつになくダブルフォルトが多かったナダルも、ギアを上げた場面での強さは素晴らしい。裏を返すと常に全力ではなく、メリハリをつけてこそ勝てるということなのかもしれない。

今回の中継はテレビ朝日が担当している。テニス用語はしっかり勉強しているようだが、ダブルスとシングルスの違いが理解できていなかったり、ベルギーがセットを取った重要な場面で「セットポイント」と間の抜けたコメントを入れるなど、不慣れぶりが全開になっている。NHKは以前に比べればましになってきたが、やはりテニスならWOWOWという印象を強める結果になってしまった。