【ATPカップ】日本―スペイン

西岡良仁は最高の出来だった。ラファエル・ナダルからファーストセットで2回もブレークを先行したのだが、その度にナダルが次のゲームでブレークバック。最後はタイブレークも押し切られてナダルが取る。セカンドセットでも、どちらがナダルかわからないようなショットを西岡が次々と決め、どちらに転んでもおかしくない展開だった。それでも西岡が勝ち切れなかったのは、ナダルの王者としてのプライドと勝利へのコミットメントだったのではないだろうか。

それはダブルスでも同じだった。セットオールでマッチタイブレークに突入し、最初のポイントで添田マクラクラン組がミニブレークしてリードを奪う。しかし、終盤になると添田が狙われて一気にポイントを連取されてしまった。追い込まれたときに反発する力。ナダルとカレノブスタ、そのどちらもが共通してファイターであることが如実に証明された展開だった。

このダブルスを勝っていれば決勝トーナメントに進むことができた日本だが、これだけの内容を見せてくれれば満足だ。錦織と内山が欠場する中、ウルグアイジョージアにしっかり勝てた。そして、その中でも西岡の仕上がりの良さは世界に示されたと言えるだろう。メルボルンで開幕する全豪オープンの戦いが楽しみになった。