【ローランギャロス】シフィオンテク/マテック・サンズ―スーウェイ/メルテンス

ダブルスの醍醐味と怖さが詰め込まれた、とても面白い試合だった。セットオールでファイナルセットに突入したが、流れは明らかにスーウェイ/メルテンス組に。スーウェイがレッドクレーのサーフェスを横にスライディングしながら巧みにラケットの面を合わせてポイントを奪えば、メルテンスは深い位置から打ち分ける。この中では経験の劣るシフィオンテクが狙われ、ミスをしてはイライラを募らせる場面が目立ったがmマテック・サンズを含めたダブルス巧者の3人がシフィオンテクを教育しているかのような内容にも見えた。

そしてファイナルセット5-1で迎えたスーウェイのサービスゲーム。信じられないくらいスーウェイのプレーが乱れ、ダブルフォルトを犯す。ダブルスにはよくあることだが、流れが変わるとこれまでとはまったく異なる展開になってしまうのだ。ここで流れを手放したスーウェイ/メルテンスが再び流れを取り戻すことはできず、6ゲームを連取したシフィオンテク/マテック・サンズ組に大逆転勝利を許してしまった。

それにしても、充実した内容でレベルの高いマッチだった。青山修子/柴原瑛菜組も成長を感じるが、まだまだこのレベルまでは差があることを痛感させられた。相手の位置や動きを見極めた上でのプレーの選択、そしてそのプレーの正確性。負けはしたが、スーウェイとメルテンスが見せたテニスの質は素晴らしかった。シフィオンテクもこの試合に勝った経験は今後に生きるだろうし、それを導いたマテック・サンズも満足していることだろう。