中国が人民元を２％切り上げた。円が固定相場だったころ、360円が308円になったときの切り上げ率は18％ほどだけど、今回はなんと２％！ それって、１ドル360円が353円になるようなもので、意味があるとは思えない。さすがは政治大国の中国だけあって、経済効果よりも駆け引きのカードとして利用したっていうことだよね。Newsweek誌によれば、適正水準にするには40％の切り上げが必要という説すらあるということだ。
同誌も、「この切り上げは、終わりではなく始まりにすぎない」と結んでいる。中国にしてみれば、「切り上げを実施した」という事実作りで時間を稼ぐつもりかもしれないけど、「切り上げに応じる体制がある」ことを示したことで、第2弾・第3弾を国際社会は期待するはず。２％などというスーパーの割引にもならないような率で済ませられると思っているなら、中国共産党は厚顔無恥と称されても仕方ないだろう。
そして問題は、対中投資熱がどうなるかということ。僕はもともと中国の成長戦略には懐疑的なので、（中国にとっての）外資はそろそろ引き際を考える時なのではないかと思う。
