【国会代表質問】民主党への疑問

僕の仕事は人事なので、労働問題がいわば「専門」です。その視点から今日の鳩山由紀夫幹事長の代表質問を聞いていて、どこの党の支持かを抜きにして純粋に感じた疑問があります。鳩山氏は経済対策の緊急性について触れ、中小企業支援にも言及していたと記憶しています。しかし、同時に雇用の問題をも取り上げ、最低賃金の平均額を(時給)1,000円以上に引き上げるとの方針を述べました。

これは矛盾しないでしょうか。最低賃金に近い金額で雇われている労働者は、大半が中小あるいは零細企業に勤務しているのだと思います。支援しなければならないほど疲弊している中小企業に、それだけのコスト負担を強いる体力があるのでしょうか。そうなれば企業の選択肢は「最低賃金は引き上げ、総人件費は抑制する」方法しかありません。その結果、「最低賃金は1,000円になったが、失業率は10%」なんてことになって、本末転倒なのではないでしょうか。

財源論云々よりも、もっと根本的な部分で一貫性を欠いた「いいとこどり」の主張のように見えますが、民主党の真意はいかがなものなのか知りたいところです。