【映画】リリーのすべて

<ネタバレあり>
上海からのJAL帰国便で見た「リリーのすべて」。原題の"The Danish Girl"では明確だが、これは性自認のずれに気づいた画家の男性が性転換手術を受け、そのことが影響して命を落としてしまうストーリーだ。ダイバーシティの観点から興味があったが、パートナーの変遷にとまどいながらも受け容れようとする妻のゲルダアリシア・ヴィキャンデルが好演している。

しかし、何といってもこの作品の一番の見せ場はエディ・レッドメイン演じる主人公の死に顔だ。手術を後悔することなく、自分らしい性で生涯を閉じることをむしろ喜んでいるリリーの安らかで、そして演技とは思えないくらい迫真の死に顔。こんな表情を、他の映画やドラマではお目にかかったことがない。それくらい印象的なシーンだった。

実話に基づいてはいるものの、展開はかなり脚色されているとのこと。今から100年近く前のストーリーだが、性自認の問題はあまり大きな変化はない。現代にもそのまま通じるテーマだと感じた。