【映画】博士と彼女のセオリー

4年前に録画したまま放置していた「博士と彼女のセオリー」を、外出自粛の土曜日にようやく見た。この作品はスティーブン・ホーキングの元妻であるジェーンの回顧録を映画化したもので、そのせいかクライマックスに彼らの離婚が描かれるものの、非常にあっさりとした描写になっている。序盤から中盤まではホーキング博士の理論の熟成とALSの進行による身体面での苦労を描いているので、ストーリーとしてのオチがどうにもハマらなくなってしまったのは残念だ。

それにしても、エディ・レッドメインの演技は秀逸だった。「リリーのすべて」の性転換した主人公としての演技も素晴らしかったが、こちらは心理面に加えて身体的なチャレンジをも表現しなければならないので、難易度は段違い。しかし、エディはそれをとても自然に演じ切ってしまった。声を失った後の表情で伝えようとする部分などを見ると、アカデミー主演男優賞を受賞したことにもまったく異論はない。

脇を固めるキャストにも、「ローグワン」のフェリシティ・ジョーンズをはじめドラマ「カウンターパート」のクエイルと「ゲームオブスローンズ」のヴィセーリスを演じるハリー・ロイドやハリーポッターシリーズでのルーピン先生役のデイビッド・シューリスなど見覚えのある顔が多く見どころは満載だ。