【ドラマ】ハンドメイズ・テイル Season-1

近未来のディストピアの世界観をここまで作り上げるのは、驚異的な想像力によるものだといえよう。「ハンドメイズ・テイル」の舞台は、宗教がかったクーデター政権に支配される米国。カナダとメキシコも登場するが、現実世界を残しながら異聞ともいえるストーリーを紡いでいる。出生率が低下する中で、本来は不道徳な性の営みを宗教儀式化することで正当化する論理が空恐ろしい。

主演のエリザベス・モスの感情を抑えた演技は、全編を通して見応えがあった。表情だけですべてを表現するかのような演技でゴールデングローブの主演女優賞を受賞しているが、まったく異論がないほどに素晴らしかった。多くの台詞を与えなかったことが、表情や仕草へのフォーカスを可能にしているのかもしれない。

謎を残すような展開でシーズン1は終わったが、原作の小説ではここまでだったようだ。シーズン1とは舞台も登場人物も変わりそうな展開なので、目が離せなくなりそうだ。ストーリーが過剰に広がって、伏線が回収できなくなってしまうことだけは避けてほしいものだが…