【グラミー賞】主役はコービー

今年のグラミー賞は当日の朝にヘリコプターの事故で帰らぬ人となったコービー・ブライアントが主役となってしまったようだ。リゾの派手なパフォーマンスで幕を開けたものの、すぐにアリシア・キーズを中心にコービーの追悼に。おそらくは、シナリオを全面的に書き換え、アリシアはアドリブ気味に歌い上げたのだろう。それほどまでにバスケのレジェンドの存在感があったのだろうし、それは会場がレイカーズのホームアリーナであるステイプルズセンターだからということも理由のひとつなのだろう。

ビリー・アイリッシュが注目を集め、緑の髪と爪はビジュアルにも強烈に訴えたが、僕にとってのクライマックスはエアロスミスRUN-D.M.C.の競演による「Walk This Way」だった。もともとエアロスミスの曲をRUN-D.M.C.がカバーした縁なのだが、こうしてスティーブン・タイラーRUN-D.M.C.と絡んでこの曲を演奏するのを目にするのは、とても貴重な体験だ。

授賞式自体は、何となく内輪ウケのネタも多く、いかにもアメリカという感じで展開した。カントリーやコメディ部門はほとんど興味がないのだが、米国内ではそれなりのプレゼンスがあるということなのだろうか。BTSの扱いが想定以上に大きかったことも、日本国内とはやはり評価が違うように感じた。