米国インディアンウェルズで開催されているテニスのBNPパリバオープン2回戦で、ダニエル太郎はジョコビッチと対戦。ジョコビッチは肘の手術から復帰したばかりとはいえ、圧倒的な王者だ。NHKは錦織圭の試合を中継するスケジュールを組んでいたが、風邪で欠場となり、代わりに中継したのがこのゲームだった。
序盤はジョコビッチがいつもの隙のないプレーで余裕を見せるが、ファーストセット終盤の第9ゲームをダニエルがブレークバック。タイブレークでは意外なほどにジョコビッチがペースを作れず、あっさりとダニエルが先取する。ダニエルは体重を乗せたバックハンドが冴え、以前よりもベースラインに近いところに構えて時にネットプレーも見せた。勝負どころを見逃さずに、ここぞとばかり攻めた戦術眼は素晴らしい。ジョコビッチは、モチベーションが上がっていない印象もあった。
第2セットも接戦だったがジョコビッチが執念で奪取し、予選上がりの選手相手にセットを奪っただけなのに、ものすごいガッツポーズを見せた。それだけ必死だったのだろう。迎えたファイナルセットはジョコビッチのアンフォーストエラーが目立ち、スタンドの観客もアプセットへの期待が高まってゆく。5-1でつかんだマッチッポイントでも、ジョコビッチのアンフォーストエラーであっさり決着がつき、達成感にあふれた表情を見せたダニエルが清々しかった。