【ローランギャロス】錦織―ベルダスコ

ローマでのイタリア国際準決勝での錦織とジョコビッチの一戦では、あれだけ好調な錦織でも勝てないジョコビッチの巧さに、あきらめの感覚があった。いわゆる「全仏」でベルダスコと対戦した錦織は、まさにその路線だった。ベルダスコが絶好調でおもしろいようにショットが決まっていたのに、それでも終わってみれば錦織が勝ってしまった。

やはりテニスには流れがある。2セットを無難に先取した錦織だったが、第3セットで開き直ったプレーに転じたベルダスコに流れを渡してしまう。それまでバックハンドのアンフォーストエラーが目立っていたベルダスコながら、バック側を攻められないように強いショットを打つとともに、先手を取って攻め続け始めた。

しかし、そんな集中も長くは続かず、ファイナルセットに入ると錦織が再びアジャストして後手に回らない展開に持ち込む。スーパーショットをいくら見せても、その後にイージーミスをしては同じこと。ポイント数では上回ったベルダスコだったが、試合に勝ったのは錦織だった。3時間を超える熱戦だったが、終わった後の表情から見ると錦織は次戦までにリカバリーしてくるだろう。またしても当たることになったガスケに逆襲を喰らわないことを祈ろう。