【国立新美術館】安藤忠雄展

イメージ 1

国立新美術館安藤忠雄展「挑戦」の冒頭の展示にあった安藤の「自分の作品は、住み難いかもしれない」という一言が、強烈に頭に残りました。住宅の機能が満たされないプロダクトは、純粋なアートでないなら独りよがりのプロダクトアウトでしかないはず。しかし、だから安藤作品には住む価値がない、ということにはならないと思うのです。

その家に住んで大半の時間に不便を感じたとしても、一度だけでもプレシャスな体験ができれば、それで満たされてしまうこともあります。プロダクトの持つ付加価値とは、そういうことなのだと思います。「これが見られたら死んでもいい」と思うくらいの感動を、例えばこの画像の「光の教会」から受ける人もいるでしょう。

そして、安藤の作品は極めてシンプルです。これは、そこを利用する人、あるいはそこで何かを感じる人に建築家の価値観を押し付けない配慮なのでしょう。「光の教会」もシンプルだからこそ、多くの人の祈りの場となり得るのだと感じました。