【国立西洋美術館】ゴヤ展で「着衣のマハ」

東京・上野の国立西洋美術館で昨日開幕した「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」。先日、会社の友人がマドリードプラド美術館で「裸のマハ」と「着衣のマハ」を並びで見られてよかったと言っていたこともあって、とても興味を持っていました。

ピカソやダリはフランスで活動したスペイン人で、エル・グレコはスペインで活動したギリシャ人(エル・グレコ=あのギリシャ人の意味)なので、純粋にスペインで活躍したスペイン人画家としては貴重な存在です。ハプスブルク家の至宝を所蔵するプラド美術館から、72点ものゴヤの作品が来日しています。ただ、素描や版画も含まれるため、油彩は25点です。全体的な印象では、描かれた空間の暗さの中では人物や衣服の色彩が鮮やかすぎるため、なんとなく安っぽさというか、「リアルでない感じ」を持ってしまいます。

率直な感想として、この中で目を惹く作品は「着衣のマハ」だけ。それでも十分に1,500円を支払って鑑賞するだけの価値はあります。わずかな笑みをたたえた微妙な表情や肌の白さと頬の赤みの対比も見事ですし、衣服の生地を通して表現した体の曲線の美しさもまさに芸術的なのです。他の作品でも、ゴヤの目がとらえるモデルの表情の巧みさには感服します。これはぜひ「裸のマハ」と並べて見てみたいものです。

今回の展示を見て、「マハ」が人名でないことを初めて知りました。展示の解説によれば「マハ」とは「伊達女」で、つまりは「イケてるお姉ちゃん」ということなのですね。

http://www.goya2011.com/index.html