【三菱一号館美術館】プラド美術館展

丸の内の三菱一号館美術館で、プラド美術館展を鑑賞しました。とはいえ、このラインナップで「プラド」を名乗るには無理があるのはわかっていたので、これをどんなキュレーションで見せてくれるのかに興味があったのです。マドリードのプラドは去年の夏に訪れたので、懐かしさもありますした。

エル・グレコルーベンス、ムリーリョなど個々の作品には目を惹くものがありましたが、キーコンセプトのはずのボスやヴェネツィア派の見せ方が中途半端で、消化不良な印象でした。スペイン国内からの巡回のようなので、歴史や宗教、文化などのバックグラウンドがあるスペイン人にはこれでよいのかもしれないけれど、日本人にはちょっとわかりにくい見せ方だと感じました。僕は博物学的な展示は好きではないのですが、このラインナップならそうせざるを得なかったのではないでしょうか。

記憶に鮮明に残るマスターピースがないことで感じる物足りなさと、ヨーロッパの美術館にいるかのような雰囲気。どちらを感じられるかによって、この展覧会の評価は違ってきそうです。