【イラク戦】ロスタイムの歓喜

長いロスタイムに、何かが起きる予感はあった。しかし、それはかつての記憶から、吉田によってもたらされるような気がしていた。事実、最終ラインからのフィードは何度も吉田の頭に合っていたのだ。

その吉田がサイドに流れてファウルをもらい、清武がFK。ハリルホジッチは、今日こそはプレースキッカーとして彼を残しておいてくれた。前半に胸を蹴られた時点で交代していたら、この歓喜は生まれていなかったに違いない。

清武のFKはクリアされるが、そこには交代出場した山口がいた。柏木を下げてまで投入した意味は、確かにあった。力まずに軽く振り抜いたシュートは、GKをすり抜けてゴールネットを揺らした。

この日のベンチには川島、香川、長友と豪華なサブが控えていたが、本来の姿には程遠かった本田を含め、世代交代がすぐそこに迫っていることを暗示していたように思う。