【日本―UAE】及ばない想定

カタール人の主審の判断は、意図があったかどうかは別として非常にクセのあるものだった。日本ホームの試合にカタール人をアサインされてしまう日本協会の、AFCにおける政治力のなさは今に始まったことではない。しかし、試合開始からの10分でこの主審の特徴はわかったはずなのだ。にも関わらず、ペナルティエリア内で相手FWを3人で囲むのは、無謀以外の何物でもない。いわゆる「中東の笛」が想定できていなかったのであれば、ハリルホジッチというよりは日本協会の問題だろう。

とは言え、ハリルホジッチの選手交代も目を疑うものだった。流れを変えるのに宇佐美の投入は、もちろんあり得る。しかし、清武という安定したプレースキッカーを、なぜこの時間で外す必要があったのか。終盤に立て続けに訪れたCKの場面で、宇佐美や香川の蹴るボールには可能性が感じられなかった。清武がいれば何かが起きていた、と信じるのは僕だけだろうか。

大島僚太の出来は悪くなかった。だからこそ、あのPKは避けたかった。そしてそれを「中東の笛」という一言で片づけてしまったら、日本サッカーの未来はないと思うのだ。ここから何かを学ぶのは選手でもあり、日本サッカー全体でもある。