【BNPパリバオープン】大坂―ハレプ

大坂なおみの出来は、それほどよくなかった。デュースコートのワイドサーブは切れ味が鋭かったが、センターサーブは軒並み低調。ただ、アンフォーストエラーは攻めに行った場面が多く、ハレプの浅いショットに踏み込んでストレートを狙った場面などだった。一方のハレプは、明らかによくなかった。ボールの回転をつけることに苦労している様子で、ぎりぎり追いついてのストレートでは何度か魅せるショットがあったものの、全般的にモチベーションが上がっていない印象だった。

ファーストセットを取った大坂が、セカンドセットの最初のゲームでブレーク。そのまま流れを引き寄せると、5-0という一方的な展開になる。第6ゲームはハレプも意地を見せて度かブレークポイントも握ったが、サーブで崩した大坂が振り切った。シャラポワ、ラドバンスカ、プリスコバと大物食いが続いているせいか、トップランカーのハレプに勝っても「特別なこと」には見えず、貫禄すら感じられた。

WTAプレミア・マンデトリーは男子で言えばマスターズ大会であり、錦織も優勝を果たしていない。錦織がUSオープンでファイナリストになったとき、「チリッチなら勝てるかもしれない」と淡い期待を抱いた日本のファンは多いだろう。今回もカサキナなら勝てそうな気もするが、大坂よりランキングは上位なのだから、守りに入らずに攻め切ってもらおう。