【東京都美術館】新印象派展

上野公園の東京都美術館で、今日開幕した「新印象派展」。期待以上にたくさんの気づきが得られる、素晴らしいキュレーションでした。まずはモネから印象派を見せ、ピサロに。ピサロの作風が、印象派と新印象派をつなぐ鍵だということが、よくわかります。この流れで見せるためには、さまざまな美術館と出品交渉をするのが大変だったことでしょう。

印象派としては、スーラとシニャックの作品を中心に見せてくれます。スーラという画家は点描という手法ばかりがクローズアップされますが、印象派が描いた「目に見えた光」に解釈を加えてカンバスに再構築することが、新印象派の真髄なのだと感じました。そして、光に支配されていた印象派のカンバスから、光を色彩に分解する流れは、フォービズムで結実します。マティスの色彩の意味が、この流れではよく理解できます。

かつてリヨンの美術館で見たマティスと1年前にシカゴで見た「グランドジャット島の日曜日の午後」を、もう一度見てみたくなりました。この展覧会を見た後なら、より深く味わえる気がします。

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