【人事の話】2017新卒採用の実態

2017年度卒業見込みの新卒採用は、3月1日から広報活動が解禁で、6月1日からの選考開始を待つ期間となっています。各社とも会社説明会などで「広報活動」をしているのですが、実質的には選考が始まっているようです。キーワードは「模擬面接会」。「面接を模した形で質問に答えますよ」という体裁を採りながらも、実態は面接そのものなのではないかと思われます。

通常の面接であれば合格者は次の選考が案内され、不合格者にはいわゆる「お祈りメール」、つまり「貴殿の今後のご活躍をお祈りします」という内容の不合格通知が出されます。しかし、「模擬面接会」という建前であることから、不合格者の扱いは「サイレント」のようです。つまり、何の連絡もないことが不合格だということなのです。「模擬」である以上「不合格」になる合理性はありませんからね。

これは学生にとっては辛いところ。企業が建前を通すあまり学生への最低限の礼儀を満たさない現状は、誰にとってもハッピーとは言えません。こんな状況を招いているのが経団連の「倫理憲章」であり、政府による企業への「要請」なのです。大人の事情で学生が苦しむのは見えていたはずなのですが…