【世田谷美術館分館】向井潤吉アトリエ館

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世田谷・弦巻のお寺にお墓参りをした後、散歩がてら世田谷美術館の分館・向井潤吉アトリエ館に立ち寄りました。いつも、最寄りのバス停付近に案内図を見かけて気になっていた施設です。

向井は昭和の時代、太平洋戦争前後に活躍した洋画家です。彼の描く対象は、伝統的な日本の原風景。里山だったり、藁ぶき屋根の民家だったりというものです。ヨーロッパの画家たちと同じ技法を用いていても、扱う対象が違うと色も違うのですね。フランスの森とはまったく異なる日本の木々の色の懐かしさや、そしてそこに感じる生活感を強く感じました。

この施設は向井家が長く生活した敷地に、昭和30年代に建てられたアトリエと岩手の一関から移設した土蔵から構成されています。館内には、床についた絵具の染みなどもあり、画家の息吹が蘇ります。庭には花が咲き乱れ、世田谷の住宅街とは思えない桃源郷のような環境です。しばし現実を離れて、魂が旅をしているような時間を過ごしました。