【映画】ゴーン・ガール

この映画を見終わった後の率直な感想は、「怖い」の一言だった。ロザムンド・パイク演じる妻のエイミーの狂気ともいえる戦略は、何とも言えない恐怖感を覚えさせる。夫がベン・アフレックという呑気な真面目男というキャスティングは見事にハマっていて、展開をある程度見通せてしまうのだが、それでもこのオチは「怖い」のだ。パイクがアカデミー主演女優賞にノミネートされたことは、十分にうなずける。

「ママと恋に落ちるまで」のニール・パトリック・ハリスや「モーツァルト・イン・ジャングル」のローラ・カークらがしっかり脇を固めていて、ドラマの役どころとはだいぶ違うのだが、それでも彼/彼女らしさのある演技を見せてくれるのは、海外ドラマファンとしてはうれしいところだ。

この結末は、尻切れのようにも見える。ベン・アフレック演じる夫・ニックの視点から、妻に復讐する続編を作っても面白そうだが、結局は妻に逆襲されるオチで終わりそうな気もする。それだけ余韻を持った終わり方であり、いろいろと想像力を掻き立てられるのも映画としての本作の魅力だろう。