【泉屋博古館分館】近代日本洋画の魅惑の女性像

六本木一丁目の泉ガーデンタワーに併設されたエスカレーターを上った先にある「泉屋博古館(せんおくはくこかん)分館」は、住友家が蒐集した美術品を展示する美術館。本館は京都の鹿ケ谷にあります。展示室は2つだけで入館料520円なので、「ちょっと寄り道」的な使い方ができるスポットです。

今日の展示は「近代日本洋画の魅惑の女性像」。藤島武二や岡田三郎助、山下新太郎、小磯良平岸田劉生といった日本洋画のマスターピースが揃っていて見応えは十分です。梅原龍三郎の作品は数も多く、独特の世界観が堪能できますよ。クロード・モネの作品も「サン=シメオン農場の道」と「モンソー公園」があり、地味ながら印象派らしいタッチは日本の洋画にも大いに影響を与えていることがよくわかります。

特に印象に残ったのは、小磯良平の「踊り子二人」。モチーフとなっているバレリーナの無国籍な印象ながら凛とした表情が、とても強く存在感を示しています。岸田劉生といえば「麗子」ですが、「麗子六歳之像」と「二人麗子図(童女飾髪図)」が展示されており、意外にも柔らかな表情に描かれた麗子は「かわいく」見えました。

ただ、ガラス越しの展示で照明の配置にあまり配慮がされていないため、鑑賞者がガラスに写り込んでしまって作品を純粋に楽しめません。これは美術館としては、大きな失点だと思います。

http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html