【上野の森美術館】北斎展のオペレーション

3連休の上野公園は、かなりの人出。上野の森美術館の「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」も混雑していました。作品自体はとても見応えがあって素晴らしいのですが、オペレーションに関しては近年稀にみるひどさでした。最大の問題は、狭いスペースに無理やり詰め込んだ展示。目の高さに揃えているので、人が重なってしまうのです。

チケット販売も、一番混む時間帯に開いていないブースがあるし、並ばせ方も非常にわかりにくい。まるでラッシュ時間帯の駅を思わせるような、心のなさです。人が集中しないようになのか「順番にこだわらず、空いているところから見ろ」と大きな声で繰り返す係員は、とても美術館とは思えない対応です。客層もいわゆる観光客中心で、「これは絵ですか?」「いえ、版画です」という係員との会話が聞こえてしまっては興ざめです。

その中での収穫は、版画において色彩のコントラストを際立たせる対象は肝であって、だからこそ富士山は版画の対象に向いているのだと気づいたこと。その意味で、「神奈川沖浪裏」よりも、「赤富士」の方が印象的でした。「赤富士」に使われている鮮やかな赤褐色は、特徴的です。

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