【藝大美術館】興福寺仏頭展

上野の東京藝術大学大学美術館で開催されている「興福寺仏頭展」。僕にとっての目玉は100年間所在が不明になっていた仏頭ではなく、板張りと木彫の十二神将尾でした。僕は子どもの頃から十二神将フリークで、中学の修学旅行で自分の班を無理やり新薬師寺に引っ張り込んだほど。そのために先生も、新薬師寺にひとり駐在していなければならなかったのです。

地下の書の展示はほぼスルーして、お目当ての3階へ。ますは板にレリーフのように浮彫した十二神将と対面。思ったよりも立体感があり、デフォルメした表情は迫力があります。一方、広いホールに点在する勝った位で展示された木彫の十二神将は、厳かな印象です。いかにもインド系の顔立ちのようでもあるけれど、首の太さはフィジーとかサモア系にも見え、十二神将ラグビーをやらせたら強そうだと思いました。

ほとんどの像は色が飛んでしまっているのですが、木彫の安底羅大将は顏の部分に赤銅色が残っていて、往時を忍ばせてくれました。他の像も、作成時の色彩はどうだったのでしょうね。十二神将の迫力に比べ、仏頭はおだやかで、すべてを包み込むような笑みを浮かべているように見えます。背後から見ると大きな損傷があり、僕はここまでの歴史に思いを馳せました。

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