【上野の森美術館】肉筆浮世絵展

上野の森美術館で開催されている「肉筆浮世絵・美の競艶」は、シカゴの収集家ロジャー・ウェストン所蔵のコレクションの展示です。浮世絵といえば普通は木版画ですが、本展では歌麿や豊国、北斎暁斎らが筆で描いた作品が展示されています。

この美術館は、どうにも運営が好きになれません。美術館だと思うとイライラしてしまうので、百貨店の催事コーナーだと思い込むことにしています。入場案内の声が展示スペースにも聞こえてきたり、美術にあまり興味のない観光客だらけだったりは相変わらずでした。

作品数はかなりあるし、質的にも決して悪くありません。しかし、それ以上に感じるのは、これだけの文化が成立していて、そして「様式」も確立し、産業としても成り立っていた事実。そこに、江戸期の日本のレベルの高さを感じます。ただ、こんな作品を生活空間の中で鑑賞に供することができたということは、やはり女性の社会的地位はそういうことだったのでしょうね。