試合開始から大分の動きはよかった。シュート数が少ないことを気にする人もいると思うが、大分はサイドからのクロスに中央で合わせるスタイルだから、合えばゴールの可能性が高いし、合わなければシュートにならない。だから、シュート数を気にするのはやめよう。右サイドの為田が起点になるシーンは多かったが、逆に裏を取られることも多かった。当たっていた丹野の神憑り的なファインセーブがなければ、大敗していたところだろう。セットプレーで残っていた若狭が木村のクロスに合わせて先制し、前半を終えた。
ハーフタイムに田坂監督は、その為田を下げてチェ・ジョンハンを右に回し、左ワイドに児玉を投入する。新潟が大井と金根煥が激突してしまい、DF2枚を代える事態になり、バランスが微妙に崩れた。実はこのプレーは、DFの交錯からこぼれたボールが高松の前に落ちたところを笛が吹かれたので高松は不満そうだったが、大井と金根煥は軽傷ではなかった模様。新潟サポーターに合わせるように、大分サポーターからも「健太郎！」「金！」というコールが起こり、スタジアムが温かい拍手に包まれた。
CKから新潟が追いつき、大分はチェ・ジョンハンのクロスを森島がつなぎ、高松がワントラップからシュート。これが決まって初勝利に大きく前進した大分は丸谷を投入してクロージングに入ったが、90分に鹿島戦の大迫を思い起こさせるレオ・シルバのゴールで同点。ここで気落ちした大分だが、DFの衝突で8分という異例の長さとなったロスタイムも残り少なくなったところで高松が落としたボールを上がっていた土岐田が蹴り込んで決着を着けた。
新潟 ２－３ 大分（得点：田中達、レオ・シルバ／若狭、高松、土岐田）
＜ＧＫ＞
丹野 :6.5 キックミスあるも好セーブ連発
＜ＤＦ＞
土岐田 :7.5 攻守に大車輪の活躍で今日のMVP
若狭 :6 危ない場面もあったが奮闘
安川 :6 サイド攻撃を活性化
＜ＭＦ＞
ロドリゴ:5.5 パスのセンスは皆無
為田 :5.5 攻撃の起点も裏取られ過ぎ
チェ :6 インサイドでの絡みで貢献
松本昌 :6.5 2列目の動きは合格
木村 :6 試合勘鈍く連携悪い
＜ＦＷ＞
森島 :5.5 つぶれ役として機能も物足りない
高松 :6.5 ポストプレーで真骨頂
＜ＳＵＢ＞
児玉 :6.5 サイドでチャンスメイク
永芳 :6 ボールを落ち着けた
丸谷 :6 役割はこなした
＜監督＞
田坂 :6 適切なスタメンと交代策
これで、やっと初勝利。サッカーの神様は、トリニータを見放してはいなかった。幸いなことに、降格ラインはそれほど上がっていない状況だ。ナビスコの鳥栖戦では目的を持ってゲームに望み、中断前のホームゲームは「裏天王山」の磐田戦。順位を2つ上げる可能性も残されている。
