【奈良美智】エッセイ「NARA LIFE」

先日、横浜美術館奈良美智の展覧会を鑑賞した帰りに、桜木町駅の書店をのぞいたところ、奈良のエッセイが置かれていました。思わず手にとってレジに運んでゆくと、店員が「いま展覧会やってるんですよね」と声を掛けてくれました。「ちょっと作品は少なかったけど、おもしろかったですよ」と返した僕に、「私も行きたいです!」と笑顔を見せてくれた彼女とのやり取りに、まるでニューヨークにいるかのような気分になりました。

さて、その「NARA LIFE」です。韻文もあれば散文もあり、堅い表現の「エッセイ」になっているものから、心の声を率直に表現したものまで。「反原発」という奈良のスタンスは、僕とは相容れないものですが、それでも感情的な論調ではなく静かに主張しているので、とくに気になることもありません。

何よりも気づかされたのは、彼のような芸術家はそのときどきの自分の思いを作品に込められるということ。至極当たり前のことなのですが、作品を見ることで「その時代に自分が何を考えていたか、感じていたか」を思い出すということが書かれていました。自分にそんな才能があれば、もっと違う形で自分の思いを記録することができたのでしょうね。

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