【三菱一号館美術館】ロートレック展

東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催されている「トゥールーズロートレック展」は、ハコが小さいこともあって混雑していました。この美術館は板張りで靴音が響くこと、そして自動扉の数が異常に多いことが鑑賞者にとっては決してよい環境ではありません。今日も、「上京したついでに何かやっているから寄った」という雰囲気の客層でした。

さて、展示です。最初に迎えてくれるのが油彩で、これがロートレックらしくなく意表を突かれました。「アルビのカステルヴィエル陸橋」が印象に残りましたが、「A・ド・トゥールーズロートレック伯爵夫人」も普通に印象派のような画風の中、輪郭線の描き方に後のポスターに通じるものがありました。

やはりロートレックと言えばポスター。ムーラン・ルージュをはじめとする一連のポスターは、おそらくパリに伝統的にある色彩の文化に沿っているのでしょう。現代のパリのポスターにも、似たような色調のものは多く、まさにパリのエスプリを感じさせてくれるからです。

今回の展示にはリトグラフも多いのですが、ポスターにしろリトグラフにしろ、デフォルメを加えたデッサンも彼の持ち味です。若い女性が衣服を脱いでいる場面を習作としてデッサンでいくつも描き分けているところに、彼の着眼点、言い換えれば「萌えポイント」を垣間見ることができたように思いました。

http://mimt.jp/lautrec2011/