【ベストキッド】米国人親子の物語

場面は北京で、カンフーを習うシーンが多用されてはいるものの、この物語の本旨は米国人親子の愛情と成長だと思います。その意味でジャッキー・チェンは、大物でありながら描かれ方があまり印象に残らないのです。中国人のヴァイオリニストとのロマンスについても、あくまで米国の価値観で描かれていますよね。

以前別の記事でも書きましたが。僕はいわゆる子役が嫌いです。子供に大人びたセリフを言わせ、無理にキャラを立てた設定にすることが「いかにも」な感じがして嫌なのです。本作ではウィル・スミスの実子であるジェイデン・スミスが、思っていたよりもずっと素晴らしい演技をしています。かっこつけ過ぎるわけでもなく、いじめられっ子としての微妙な心理描写が冴えています。

最後のカンフーによる対決シーンは安っぽい設定ながら、ついつい感情移入してしまう仕掛けになっている点は、さすがにハリウッド映画ですね。ジェイデンは、今後父親の庇護なしに活躍できるのか。興味を持ってフォローしてゆこうと思います。

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