中村俊輔、遠藤、長谷部らを帯同させず、中澤も体調不良で欠いた布陣。特に中盤は駒不足で、交代の選択肢すらない状況だった。予選通過の決まった消化試合では、それは正しかった。しかし、結果はあまりにも不細工で、ドイツから何の進歩もないものだった。
鉄壁の守備を誇るオーストラリアから、せっかく先取点を奪い取った。それなのに松井も内田も、ボールを失うリスクを避けることもなく、自らのテクニックを誇示したいかのような軽いプレーを繰り返す。これでは逆転してくださいと言っているようなものだ。2点目の失点シーンでは、完全に楢崎がポジショニングを誤っているし、矢野にはまったくボールが納まらない。要は基本ができていないのだ。
そして、またしてもケーヒルの2ゴールで逆転された日本。1位通過する必要はないとはいえ、あの内容では得たものは何もない。強いて言えば、オーストラリアの無失点記録を破ってよかったね、というところだろうか。親善試合のキリンカップで天狗になって、実力を過信している場合ではないのだ。
