誰もが期待していた。ベンチ裏でアップを続ける背番号14がピッチに出る瞬間を、サポーターは見たかったはずだ。キャンプ前の大怪我から復帰した家長が初めて帯同したこの試合で、選手紹介の際にもゴール裏から暖かい拍手が沸き起こっていたのだから。
しかし、1点を狩野のＦＫで失ったとはいえ、大分は攻撃のバランスは悪くなかった。それでも暫定首位という追われる立場に置かれ、選手も監督も焦りがあったのだろう。シャムスカは敢えて森島を高松に代えると同時に、前節のヒーローであるエジミウソンを下げ、家長を投入した。大分のサッカーはＤＦラインとボランチでボールを回しながら崩すのだが、そんなじっくりとした攻めが鳴りをひそめ、前線に放り込んでは簡単にクリアされるようになってしまった。
＜GK＞下川:5（失点は防げた）
＜DF＞深谷:6（コーチング良し）、森重:6（1対1強い）、上本:5.5（フィードが雑）
＜MF＞高橋:5.5（後半バテる）、エジミウソン:5.5（攻撃に窮屈さ）、ホベルト:6（中盤を支配）、鈴木:5.5（もっと前で勝負を）、金崎:6（思い切り良し）
＜FW＞森島:6（高さで競り勝つ）、ウェズレイ:5（下がり過ぎで持ち過ぎ）
＜SUB＞高松:5.5（存在感なし）、家長:5（ほとんど活きず）、小林亮:評価なし
※清水、西山、清武、藤田は出場せず
＜監督＞シャムスカ:5（選手交代でバランス崩す）
なかなか前線でボールが収まらない横浜にとって、あのＦＫは千載一遇のチャンスだった。逆に大分はコーナーキックを取れなかったことも、焦りを募らせてしまった原因だろう。終盤になって、判定がホーム寄りに流れたことは、やや残念だった。
