【人事の話】通勤ルートに悩む

たいていの会社では、通勤手当は「最も経済的な経路で支給する」となっていると思います。「経済的」とは時間が短いということではなく、金額が安いこと。だから違う私鉄の路線も乗り継ぐよりも、JRならJR、東京メトロなら東京メトロで遠回りした方が安いのです。しかも、JRは定期券割引が大きく、東京メトロは小さいという違いもあるので、単純に片道運賃では比較できません。

社員が申告した通りに支給する会社も多いけれど、実際に定期券を買ってコピーを提出しなければいけなかったり、会社が定期券を購入して現物支給したり。僕の勤務先のように、最安値のルートを調べてその金額しか出さない会社もあります。

最安値ということだと、例えば春日部から渋谷まで東武伊勢崎線半蔵門線の乗り入れで乗り換えずに来られるのに、支給は北千住で千代田線に乗り換えて、表参道でまた元の路線に乗り換えるようなルートになったりします。

また、目黒区や品川区の東急沿線では、最寄駅より少しだけ遠い駅まで歩かされるルートになることも結構あります。所要時間だけではなく、治安や利便性、その駅に止まる電車の種別(急行停車駅かどうか)など、すべてを考慮して決定することは難しいので、人事担当者はいつも頭を悩ませることになるんですよ。