【汚染米事件】受領の謎

三笠フーズ汚染米を食用に転用していたことも大問題なら、現実的な利用状況も確認せずに事故米を売りつけていた農林水産省も大問題だ。しかし、それらの問題を引き起こした根本的な間違いは、なぜ農水省はそのような事故米の受領を拒否せずに買い取ってしまったのかということだ。

ウルグアイラウンドで決まっているミニマムアクセスとは「低関税で輸入すべき総量」のことであり、輸入しなければならないわけではない。それを輸入すると決めたのは、日本の方針だ。だいたい輸入量が決められていたとしても、食用に供せない米をなぜ購入して二束三文で売らなければならないのか。その差損の出所は税金であり、それを負担しているのは国民なのだ。

しかも、この期に及んで白須敏朗事務次官は「現時点で農水省の責任とは考えていない」発言をし、太田農水相は「じたばたしていない」発言をしてしまう。さすがの福田首相もこれには厳しく対処し、本件の執行責任を野田聖子消費者担当相に委ねた。国務大臣は国民の視点から行政をコントロールすべきで、省益を代表する親分になってどうするのだろうか。この行政の無責任体質は、どうにかしてほしい。