【CWC】浦和辛勝・ミラン快勝

浦和の選手たちには勝とうという気迫が見られたし、その裏にはACL城南一和戦でのPK勝ちの経験が存分に活かされていたように思う。ワシントンの1点目は長谷部が、2点目は阿部がニアに飛んでマークを引きつけた結果である。個人の技ではなく、チームの戦術・連携で得た2点だった。

それだけに都築のミスは痛すぎるようにも思えた。しかし、そのから90分が終了するまでの間、後悔を隠し切れない表情をしていた彼が、PK戦に入って特にサヘルの1人目が外してからは自分のペースを掴んだ。PK戦の最中は、今度はサヘルの選手たちが蒼白で自信なさげな表情をしていた。5人目が枠の外へミスするのではなく都築が止めたことは、彼にとって大きな救いだったことだろう。

さて、ミランだ。カカのシュートが跳ね返されても、あの場面であそこにポジションを取ったピッポことフィリッポ・インザーギはさすがだ。いかにも彼らしいゴールでミランは波に乗るはずだった。それを、クイックリスタートからのショートコーナーで、あっさりとフリーでヘッドを決めるパラシオもさすがだ。しかし、今度はネスタがセットプレーのこぼれ球を、抑えの効いた素晴らしいコントロールシュートで突き放すと、そこからはミランの独壇場だった。

それにしても交代要員でエメルソンが、さらにはカフーまで出てきてしまうのだから、ミランの層の厚さは本物だ。浦和の活躍にしてもそうだが、やはり金のあるビッグクラブでないと世界の檜舞台では結果を残せないのかと思うと、胸スポンサーの決まらない地方クラブの未来を考えずにはいられない。