【ワールドカップ】準決勝レビュー

ワールドカップ・ブラジル2014は準決勝2試合を終え、ドイツとアルゼンチンが決勝に駒を進めた。ブラジルとドイツのゲームは、誰もが自分の目を疑いたくなる結果になったが、ドイツの6点目はこの試合を凝縮していたと感じる。

ラームがベナルティエリア内で仕掛けたとき、シュールレはパスを受けてシュートが打てるポジションに下がる動きを見せた。ところがダビドルイスは、その動きにつけず完全に棒立ち。それまでの経過がそうさせたとはいえ、象徴的なシーンだった。チアゴシウバのサスペンションという状況だったわけだが、僕はダビドルイスをボランチで生きる選手だと思っている。チェルシーの一員としてクラブワールドカップで来日した際に生観戦したが、カットの技術は素晴らしいが、背後を取られることも多かったからだ。

そしてオランダが勝てなかったのは、準々決勝でPK戦のためにGKシレッセンをクルルに代えたことの反響が尾を引いた。ファンハールの采配には異論も多かったことで、同じ策を繰り返すのは難しかったのだろう。延長前半6分まで残していた交代枠をフンテラール投入で使ったことが悔やまれる。シレッセンPK戦でのプレーでは、とてもアルゼンチンを止められるものではなかった。あのアプローチでは、方向が合っていてもボールの勢いに負けてしまうだろう。

ドイツとアルゼンチンの決勝は、勝敗にはあまり興味がない。充実した内容のゲームを堪能したいと、ただ思う。