ビッグコミック・スピリッツの原作でもひときわ異彩を放つ「濃い」キャラの野上京子の登場を、かなり期待していました。シリアスな役柄もこなし、コミカルな一面も持ち合わせた戸田恵子が演じるからということだったのですが、結果としては期待外れでしたね。
原作では自分の価値観に凝り固まって自信満々な女社長という印象ですが、戸田恵子の演じる野上は、単に不機嫌でわがままな客にしか見えません。松本潤演じるバンビこと伴を育てようというのか、少なくとも気にかけているのかという雰囲気はまったくなく、連れの一団もあわせてこんな客がいるわけないし、食事を楽しむ風でもなく「何をしにイタリアン・レストランに来ているのか」まったく理解できません。
たかがドラマに何を求めるのかと思われるかもしれませんが、せっかく他の部分のシナリオや演出がよく出来ているだけに、この部分の取ってつけたような中途半端なリアリティが目に付いてしまうのです。視聴率もやや苦戦しているようですが、原作を読んでいないとなかなか展開が理解できないのかもしれませんね。下手をすると、さらに尻すぼみという予感もありますが、果たしてどうなるでしょうか？
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