【チャンピオンズリーグ】真っ向勝負の結末

タイトな守備から速い切り替えで攻めるミランの戦術に、リバプールは真っ向勝負を挑んだように見えました。クラウチという2m級の大砲がある以上、ミランの寄せの速さを避けて前線に放り込む手段もあったはず。しかしクラウチは長身とはいえ決してキープ力に長けたFWではないため、あえてベニテス監督は中盤からビルドアップすることを選んだのでしょう。

その意味で、この試合の行方を決めたのはミラン闘犬ガットゥーゾリバプールの攻撃の基点・シャビアロンソのマッチアップでした。ガットゥーゾの闘志あふれるチェックをシャビアロンソはクールに交わしていたようにも見えましたが、結局イメージ通りのプレーをさせてもらえなかったように思います。そしてリバプールは前線に展開しても、ゼンデン(→キューウェル)がサポートできずにカイトとジェラードが孤立してしまいました。

一方のミランは前半ロスタイムにラッキーな形の先取点を得て優位に立ち、カカのキープからインザーギが実に巧みな動き出しでオフサイドラインを突破し、いかにもピッポらしい追加点を奪います。カイトのゴールも、終盤の盛り上がりには貢献しましたが、試合の流れを左右するところまではいきませんでしたね。

リーセにしてもゼンデンやキューウェルにしても、サイドを崩す駒は豊富にいただけに、リバプールには中央を体を張れるセンターFWが必要だったのではないでしょうか。つまりは、クラウチがまだまだワールドクラスのFWではないということなのでしょう。