ガーナ戦で方向性を見失ったかのように見えたオシムジャパンは、このインド戦で一歩だけ前進したのではないか。一歩とは、ガーナ戦で途中出場して結果を残した播戸と中村憲剛を先発で起用し、それが当ったという点だ。結果を残した選手にチャンスが与えられること、そしてその選手が期待に応えてさらに結果を出すという、よいスパイラルに向かっている。
しかし、不満も残る。またしても使われた駒野は少しはマシになっていたとはいえ、不動のレギュラー扱いされるようなプレーとはいえない。そして、山岸。もしかしたら、彼はかつて代表で活躍した北澤豪のようなキャラクターなのだろうか。「中盤のダイナモ」と呼ばれて運動量で貢献するが、ゴール前でのシュートがいかにも下手くそという点だ。北澤は本田技研時代にはFWで得点王にもなっているはずだが、代表では決定力を見せつけられなかった。山岸も、いつ見てもゴール前でもうひとつ合わせ損ねている絵ばかりに思える。
大分サポーターの僕としては、川崎戦で絶不調だった西川が使われなかったことには、ある意味ホッとした。しかし、アジアカップ本選出場の決まっている状況でわざわざ連れて行った若手をベンチにすら入れないのでは、クラブが不満に思っても致し方ないだろう。
