【なでしこジャパン】中国に勝った

女子サッカーの世界には、欧州と南米という両極は存在しない。アメリカと中国を北欧をはじめとする各国が追う情勢が続いていた。そして、現時点でアジアのランキングトップは北朝鮮だ。なでしこジャパンは中国には苦杯をなめ続け、実に1度しか勝ったことがない。その相手をついに破って、グループリーグ1位でアジアカップ準決勝に進んだ。おそらくオーストラリアか北朝鮮の出てくる次の試合に勝てば、ワールドカップの出場権が得られる。

チャイニーズタイペイに11-0と快勝して波に乗ったなでしこジャパンだが、さすがに中国には苦戦する。しかし日本の好守に、中国も攻めの形が作れない。激しい中盤でのつぶし合いが続く中、セットプレーから日本が先制する。宮間がニアサイドに飛び込み、GKより早くヘッドでボールを捕らえた。

後半に入って、中国は攻めの厚みを増す。しかし、日本も出足のよい守備が続く。特に両サイドの安藤と矢野は本職DFでないにも関わらず、タイミングよいカバーリングでピンチの芽を摘んだ。終盤に入っても、(前半の大谷→大野投入以外は)交代のカードを切らない日本。確かに足は止まりつつあったが、それでも前線から最終ラインまで中国以上に動いていた。一番動きが鈍っていたのは澤だったと思うが、さすがに彼女を外す選択肢はなかっただろう。

結局90分を守り切った日本が、中国から通算2勝目を挙げた。準決勝は選手の疲労が心配ではあるが、この日出番のなかった酒井や時間稼ぎに投入された若い阪口もいる。ホームのオーストラリアではなく、北朝鮮と当る組み合わせを祈りたいところだ。