【日本-ブラジル】ドーハの教訓

大敗とか惨敗とか、決勝トーナメント進出は夢のまた夢とか、言うのは簡単だ。しかし、それはほんとうにこの戦いの本質を突いているのだろうか。確かに結果だけ見れば1-4という圧倒的な差がついた。だが、前半ロスタイムの失点がなければこのゲームの行方はわからなかった。

日本から見て左サイドにいたシシーニョにボールが渡ったとき、日本のDFラインはオフサイドを取ることができた。しかし、あわてた中澤がロナウドを抑えに行ってしまい、オフサイドは解消される。前半とはいえロスタイムの失点。もう逃げ切れると言う油断があったのではないか。ドーハの教訓は、どこに活かされたのだろうか。マイアミの奇跡を思い出してもわかるように、リードされて点が取れない状況に陥れば、カナリア軍団ですら焦るのだ。しかも、今大会で調子の上がらないロナウドのストレスまでも解き放ってしまったのは、最悪の結果だった。

初戦の川口の無用な飛び出し、2戦目の中田のFWを疲弊させるパスの連発、そして中澤のカバーリング。ここぞのポイントで日本は、ミスを犯してしまった。わずかな差といえば、その通りだ。しかし、その差が埋まらないことを「夢のまた夢」というなら納得しよう。結果だけしか見ずに扇動的なフレーズを並べるだけの新聞も、後付けの理由で批判だけするキャスターもいらない。未来に向けて今回の敗退から何を学ぶのか、それを議論しよう。