【プリマダム】ただの学芸会

最終回は生中継ということで、ドラマの設定上でもバレエの発表会のところを公開撮影にして、ライブ感を出そうとしたらしい。かつてアメリカのドラマ「ER」でも生でやったことがあって、しかもさすがアメリカだけに東海岸向けと西海岸向けは時差の関係で別のテイクをやったようだ。さて、「プリマダム」はどんなものかと期待半分で見たけど、あまりにもお粗末でした。

マチュアの発表会はかなりの数を見ている僕なので、レベル感はわかっているつもりです。だから、松島トモ子古田新太のバレエを云々するつもりなどありません。彼らは楽しんで演じていて、アマチュアの発表会だと思ってみれば普通の光景でした。だけど、これはあくまで全国放送のドラマ。あまりにも稚拙な振り付けと演出には辟易です。

まず開演前の楽屋の描き方が、あまりにも現実とかけ離れている。楽屋はもっとバタバタとした緊張感があって、出演者のダンナが自己紹介しているようなお気楽な世界ではないのです。それに振り付けも、バレエというよりは社交ダンスか創作ダンスか… 先生役で出ていた小林十市が付けた振りとは思えないような、陳腐なものでした。

ちなみに小林十市は落語家柳家小さんの孫で、昔小林が留学中に祖父が訪問するっていう番組を見たような気がします。ベジャールの門下にいた彼だけど、あの奇抜というよりはカメラワークを意識しただけの振り付けは、番組プロデューサーの意向としか思えないですよ。